2013年初め、「‘Biodiversity in Good Company’ イニシアティブ」と「econsense - ドイツ経済の持続可能な発展のためのフォーラム」の共同ワーキンググループである「生物多様性マネジメント指標 作業部会」を企業と生物多様性2020の取組みの一貫としてスタートさせました。
生物多様性と、企業の環境・持続可能なマネジメントにおける生態系サービスと企業の取組みの関わりを一体化させるは、非常に困難な課題であるため、実践的かつ裏付けのある重要経営指標(Key Performance Indicator: KPI)を求める声が大きくなっています。そこで、こうした問題にこれまでも深く携わってきた、企業ネットワークである「‘Biodiversity in Good Company’ イニシアティブ」と「econsens」は、それぞれのノウハウや機能、活動範囲をリンク・共有していくために、2013年にこの共同ワーキンググループをスタートさせました。 根本的にどのようなアプローチが実践的なのか、また、そうしたアプローチが本当に実践で成功できる実施のチャンスを築くことができるのか、を課題の中心に据え、企業の実践事例や企業の視点から貢献していきます。
共同ワーキンググループ実施理念
目標の二面性
実施機関および節目(マイルストーン)・成果
2013年6月6日ベルリンでのワーキンググループ会合
準備段階として両事務局がプロジェクトの枠組みを作り、それを踏まえて2013年6月6日に第一回会合がベルリンのeconsenseにて開催されました。第一回会合には、自動車、コンサルタント、化学、エネルギー、化粧品、食品、運送・ロジスティクスの産業分野から18名が参加しました。
このプロジェクトについての基本的概念を共有するため、「生物多様性マネジメントと指標の挑戦 - 知識と議論・誘因の視点から」と題し、次のような内容を軸とした入門知識について詳しく解説しました。
企業からの参加者が、生物多様性マネジメントとこれまでの実施範囲や指標、企業内で求められているもの、また、事業におけるリスクと機会に関して見地について話し合い、議論が終了しました。特に、「必要不可欠性」と「影響を与える可能性」が取り上げられ、次に挙げる7つの項目に沿って、議論されました。
生物多様性損失の5つの主要誘因に起因しているが、環境汚染(排出することによる影響と汚染されたものによる影響)と気候変動は、企業のマネジメントシステムや報告書作成においてすでに活用されてきた古典的な環境指標であり、それらの相互比較はすでに数多く存在しています。従って、ここでの挑戦は、それら古典的指標を適応させる、つまり、生物多様性と生態系サービスの見方から古典的な環境保全を位置づけ、関係性を確立させることです。加えて、世界的な生物多様性損失の主要要因の2つである天然資源の過剰利用と生息地の破壊・改変は、事業用地や原料調達に際しての土地利用における中心的課題となります。
次のステップ
第一回会合を分析しそれを基に、さらに改善された作業コンセプトと作業計画を作成します。この段階には、ネットワーク参加者が更なる情報を得る手段としての小規模なアンケートも含まれており、夏の終わり頃を目処に、コンセプトについてのワーキンググループ内で電話会議を行います。ここでは、まず、有意義でかつ受け入れ可能な指標の開発のためにはどのような条件と観念に留意しなければならないのか、という論点に焦点を当てていきます。その後、どの指標がどのようなテーマ領域が用いられるのか、用いられるべきなのか、どのような優位性が付けられるのか、どの指標が産業分野の枠を超えて利用できるのかについて、さらにワーキンググループで検討していきます。
この作業過程において、欧州内だけではなく、日本企業からの意見・情報も求めていきます。このワーキンググループは、内部作業期間後、さらに他のパートナーと情報交換を進めていきます。
「生物多様性マネジメント指標 作業部会」は企業と生物多様性2020の枠内で行われている取組みです。